6月15日をもちまして、当店は開業して6か月となりました。
いつもお買い上げいただくお客様、お世話になっております皆様には厚く御礼を申し上げます。いつもありがとうございます。
今回の題名にあります、well balanced 。
「バランスのとれた」という意味で、コーヒーの味覚評価によく使われます。
美味しいコーヒーはバランスが取れているべきです。そして、お店の運営も well balanced であるべきだと思っております。
何と何のバランスをとりたいのかといいますと
前々回の記事に書いたように「素直に耳を傾ける」ことと、「自店の個性を貫く」ことです。
開業前から今まで、様々な声をいただきました。
「コーヒーだけで商売成り立つの?」
「もっと席数があったほうがいいべー」
「スイーツが食べたいな」
「支那そばのほうが儲かるよ!」
素朴なアンちゃんとしては、とりあえず少数の意見にも耳を傾けます。
基本はロースターなのに、開業時から店内でも飲めるというスタイルをとったため、
当店をカフェや喫茶店のように捉える方、コーヒーは完全に脇役としている方には、そういった感想をもたれて当たり前です。
周りの声に耳を傾けずに、ただ好きに自分のやりたいようにやるのは、「趣味の延長線上」に過ぎないのかもしれません。
ただ、そうはいっても
店の個性を大事にしなければ、数あるコーヒーショップと区別がつかずに、埋もれてしまうのではと予感しております。
コーヒーを扱う仕事は参入しやすいため、これから益々コーヒーショップは増えていくはずです。事実、都会なんかは特に顕著だと感じます。
そうなると、お店の個性をより明確にしなければなりません。
自分の掲げた理念、コンセプトに確信を持ち続けるには我慢がいります。お客様にとって価値が分かりにくいお店は、浸透するのに時間がかかるものだからです。
よほど自分を強くもっていないと、軸がブレます。現実、今のスタイルを支持して下さる商売の先輩方からは
「方角はそっちじゃないよ」
と自分を取り戻させてもらっております。ありそうで今までなかったようなお店は、自店を信じて表現し続けなければなりません。
当店の基本のコンセプトは、「格別な家飲みの普及」です。
まだまだまだ、当店は未完成です。お客様が感じるコーヒーのハードルをこちらから低くさせ、もっと気軽に「コーヒーの扉」を開いて頂くようにしなければなりません。
常連様から「感動するとは、感じて心が動くことなんですよ」と教わりました。
コンセプトの向こう側として
当店のコーヒーを飲むこと、そして当店に足を踏み入れることで、過去や未来から一旦離れ、
癒しとエールを感じるような体験を提供したいものです。
これから先、耳を傾けることでバランスを保ちながら
当店の利用価値を追い求めていこうと思います。
Lover’s Coffee