当店でローストしたコーヒー豆は
スペシャルティコーヒーの生産国内において、出荷される前の段階と
当店のスタッフによる、ロースト前の段階
ローストした後の段階
合計3回、手作業で豆の選別作業をし、皆様のもとへ渡ることになります。
コーヒー豆の不良豆を取り除く作業を、ハンドピックといいます。
丁寧に丁寧に栽培、収穫、精製された生豆を、さらに生産国側がハンドピックして出荷するとなると、その分、豆の質も上がるため、値段に反映されます。
スペシャルティコーヒーは、生豆の袋を開けた瞬間から「この豆は、粒がきれいに揃っているな」と、一目でわかります。
ここからが各ロースターの考え方になります。
値段の高い生豆は、出荷時点で粒が大体揃っているのだから、ロースターは2回もハンドピックしなくてもいいのではないかという考えがひとつあります。
多くの卸先を抱えている会社は、ローストする量も多いため、実際にすべてハンドピックをしていたら仕事が追いつきません。
事実、不良豆がいくらか混じっていても、味にはさほど影響しません。
正直、私もお店側がハンドピックをする以上に、ローストと抽出に気を配ったほうが、カップコーヒーは美味しくなると思います。
お店側がハンドピックをするか否かで、味はさほど変わらないとしても
それでも当店は、販売量の増加に関わらず、この作業をバカ丁寧に行っております。
それはなぜかと言いますと
コーヒー豆の一粒一粒を、風味のカプセルと思い込んでいるからです。
風味のカプセルだからこそ、形が欠けているものや、焼きムラがあるものは取り除きますし
薄皮(チャフ)が付いているものは、その薄皮を剥いて
純粋なカプセルの状態で揃えていきます。
皆様も、コーヒー豆は風味のカプセルだと思い込んでみてください。
コーヒー豆を挽くと、「よーいドン」で香りが飛んでいきますから、挽いてすぐにお湯と接触させるべきです。
「豆そのもの」の状態で購入することがいかに大事なことか、ご理解いただけると思います。
また、余裕があるときで構いませんので
当店の商品はいかにそのカプセルの色、形が揃っているか、ご覧になってもらえると嬉しいです。
事実、お店側のハンドピックがそこまで大事な作業ではなくても、お客様が袋を開けてスプーンですくったとき
少数の不揃いな豆のせいで、ガッカリさせたくないという想いがあります。
その揃っているカプセル、一粒一粒から余すことなく、美味しい成分を引き出すつもりでコーヒーを淹れてみてください。
そのちょっとした意識だけでも、作業が丁寧になり、美味しく感じるはずですよ。
Lover’s Coffee