私の胸のうち

歳月を共に

 

今年の春から始まったコーヒーカルテと同様、開業前からずっと望んでいたことがあります。

それは、お店の前に1本のドウダンツツジを飾ること。

 

なぜ数ある植物のなかで、ドウダンツツジなのかをお話しします。

 

5~6年前の秋が深まった頃、地元の山あいで1本の木をふと目にしました。

辺りの木々は紅葉し、黄色や赤の風景のなか、その1本の木も周囲と同調するように、葉のすべてを朱色に近い鮮やかな赤で色づけておりました。帰宅してすぐに調べると、その木はドウダンツツジだと知りました。

その出会った木の幹や枝は細く、体は決して大きくありません。

庭木のように身長がまっすぐ揃えてカットされているわけでもありません。

私はその真っ赤に染まった1本の木を見ると、お店も自分のできる範囲でベストを尽くすことが大事であって、必ずしも規模の大きさがすべてではないと、自分に重ねたのでした。

きっと、あの木の佇まいのように、自分は多店舗化といった規模の拡大はこれからもすることはなく、自分の個性を発揮できる範囲で進んでいくのだと思います。

 

当時、植物になんの興味もなかった若いアンちゃんがそこまで興味を引かれたということは、彼にとって大きな出会いだったのでしょう。若いときは何か取って付けて、少しでもよく見られたいと思いますが、鮮やかでありながら自然体で余計に飾らないドウダンツツジは、彼にとってとても魅力的に映ったのでした。

 

あれから5~6年が経ち、コーヒー屋をオープンし、現在に至るまで様々な業者さんと出会いました。

そのなかで今回は、建築プロデュースに長けたwowroom(ワウルーム)の齋藤さん、花屋さんを営むF&A APARTMENTの峯岸さんにこの植栽の話を持ちかけたところ、快く引き受けて下さいました。

 

6月29日、お二人はお忙しいスケジュールの中、今回の植栽は涼しくなった夜がいいということで、お二人の営業時間外に実施していただくことに。

 

始めは古材のプランターを試したり

 

幹の向きが納得いかないと植え替えたり

 

苔を敷くにあたって、勾配をつけてみたり…。

 

店内にいる私自身が癒されるようにと、後ろ側も手を抜かないお二人の配慮に心がジーンときます。

試行錯誤をしながら、どんどん改良していく姿がとても印象的でした。

 

今後、木の成長や剪定、季節の移り変わりでどう変化していくのでしょうか。とても楽しみです。

 

 

今回も自分ひとりでは決して実現できなかったことだけに、感謝の一言に尽きる夜でした。

 

 

秋口、中米のコーヒー豆がニュークロップに切り替わり、本格的なホットコーヒーの時期に入った頃、このドウダンツツジが真っ赤に染まる光景を、毎年見ることができればと思っております。

 

 

 

「今年も真っ赤に染まったね」

 

 

 

お客様とそんなセリフを交わしながら。

 

 

 

 

 

Lover’s Coffee

 

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