私の胸のうち

喉から手

 

皆さんにお聞きしたいことがあります。飲食のカテゴリーで「喉から手が出るほど欲しいもの」を挙げるとしたら、どんなものが挙がりますか。手の震えを止めるため、いわゆる志村けんのコントにあるような中毒性の症状ではなく、体が正常な状態を想定してください。ちなみに私にとってのそれは、アフォガード。バニラアイスに濃縮されたコーヒーをかけて食べるのですが、1日の終わりにこれは最高です。夏前には当店の第2弾、濃縮コーヒーボトルが発売されますので、お楽しみに。いやらしく宣伝でした。

当然人それぞれ感覚は違いますので、一概に言えないと思いますが、「喉から手が出るほど欲しいもの」とはどのような性質なのか、私なりに考えてみました。考えた結果、「今この瞬間に所持しているポケットマネーの範囲内で身近に手に入り、後を引く美味しさで習慣化されやすいもの」と私は定義しました。この定義とは反対の高級食材、例えばカニを考えてみてください。おそらく誰が食べても「チョー美味しい」と言うと思いますが、ポケットマネーを使っていつでも気軽に手に入るものでもない。皆さん、毎月のお給料の中から自由に使える額を決めて、嗜好品を楽しんでいるのではないでしょうか。ポケットマネーの範囲内で買えるもの、これは無意識に条件としてあるはずです。

コーヒーにもゲイシャ種という高価な商品があります。お店で飲んだら1杯1000円は下らないコーヒーです。香りは格段に良く、明るく澄んでいてなんとも魅惑的な風味です。たしかに驚きの一杯ですが、ゲイシャ種は私が考える「喉から手が出るほど…」の定義には合致していないのです。こういった高級品はたまに味わうからいいもの。逆に毎日では味覚が疲れてしまいます。

 

クセになる後を引く美味しさを存分に楽しめる生活。皆さんの感覚の中にどうすればラバーズコーヒーが「喉から手が出るほど欲しいもの」としてランクインできるのか。これは決して簡単なことではありません。その理由は、当店が日々美味しいコーヒーを追及していくことと並行して、当店がお勧めするコーヒーの楽しみ方(淹れ方)の普及も同じ熱量で進めていかなければならないからです。素材の提供と楽しみ方の普及、片方だけ一生懸命でも役不足なのです。

 

 

だから今、ローストの意欲はそのままに、ご自宅での楽しみ方、美味しい淹れ方の普及をより強く意識しようと考えております。今まで店主は、「堅苦しい店」とどこか思われたくなかったのでしょう。正直、細かい説明は少し遠慮がちでした。それが開業して2年5か月が経ち、自宅でもお店の味に限りなく近いコーヒーを飲んでいただきたい、そんな想いがもう破裂するほど大きくなっていきました。なぜ遠慮がちだったのか。それは、コーヒーミルを例にすると、最低でも1万円以上(理想は4万円以上)のコーヒーミルを使わないとお店の味には近づかないし、安定した美味しさのためには、分量や時間を計ること、その他細かい手間を受け入れてもらわなければならないからです。

「喉から手が出るほど飲みたいコーヒー」。決して押し付けることは致しませんが、一人でも多くの方が意のままにそれを自宅で手に入れていること。それが私の思い描いている姿です。そのために、細かい点を想いを込めて、一心に伝えていくことを心に決めました。

スタートに戻ったつもりで。ラバーズコーヒーの普及活動は、まだ始まったばかりです。

 

 

Lover’s Coffee

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