「そちらのお勧めするコーヒー豆は何ですか」
1番困る質問ですが、それに対して私は「ケニアのコーヒー豆です」とお答えするようにしています。ブレンドではないんかい。スペシャルティコーヒーには甘さを伴った酸味が特徴としてあるのですが、どうしてもそれが慣れないという方には、グアテマラの深めに焼いたコーヒー豆をお勧めしています。そこから始まり、果実味を感じるニカラグアやエチオピアにもときには挑戦して頂きたいのですが、いきなり対極の風味に挑戦するのではなく、あいだに一つの種類を挟んでほしいのです。それが当店のケニアのコーヒー豆です。
一般的にケニアのコーヒー豆といえば、果実味が豊富に含まれているため、それを活かすためにケニアを浅めに焼いているお店が多く見受けられます。正直、この豆は浅煎りから深煎りまでどの箇所で焙煎を仕上げても美味しいのですが、最もバランスが良くて柑橘系の風味を十分に引き出せる釜出しポイントが1箇所あります。そこは中深煎りのある箇所なのですが、毎回その箇所で焙煎を仕上げるために、焙煎機のスプーンを1周毎に抜き差しして豆の表面を観察するのです。
その最適な箇所に到達したら、勇気を持って釜出しします。ここでビビってタイミングを逃すと、私なりの理想のケニアではなくなるため、ここが集中の瞬間です。納得のいくケニアに仕上がったとき、店内は芳香に満たされた空間となります。果実味を感じながらも酸っぱさは決して無く、落ち着いた質感を伴ったケニアは、淹れ方を選ばず、ホットとアイスの兼用もできます。当店ではこのケニアをドリップバッグや濃縮ボトル、オリジナルのブレンドにも使っています。ラバーズコーヒーでの豆選びで迷いましたら、是非この豆をお勧めします。店主の味の好みが理解できる商品です。
最近発売となりました、水出しコーヒーバッグ(5個入り)もこのケニアを使用しております。常に品薄ですが、運が良ければ手に取ってみてください。それでは、簡単にこの商品の淹れ方をご説明してお別れです。
①タンブラーやビンなどの保存容器に水出しコーヒーバッグを1つ入れる。
②そこに美味しい水250㏄を入れる。
③約6時間、冷蔵庫のなかで浸け置きする。
④約6時間後、水出しコーヒーバッグを取り除いて完成。出来上がりは、水出しコーヒーバッグが水を吸うため、200㏄となります。作った日を含めて3日間は美味しく召し上がることができます。余談ですが、出来立てではなく、その翌日が味に落ち着きがでて本当の飲み頃です。(点滴式も同様です)是非、職場やお出かけに持ち歩いて、気軽に冷たいケニアを楽しんでください。
Lover’s Coffee