今回だけロマンチストのように記します。
良質なフルーツやお野菜、お米、お酒、そしてコーヒー……
これらすべてに共通するものは、素材自体の甘さです。シュガーの甘さではありません。
それは、何かひとつ尖ったものがない、後味の心地よさなのかもしれません。
良質な食べ物、飲み物は、大変な労力をかけた生産者の愛が含まれていると思います。
当店のようなコーヒーロースターは、リレーの第三走者として、バトン(生産者の愛)を、アンカー(抽出するお客様)に
お渡しすることがひとつの役割です。
第三走者としては、酸味や苦みの強弱ではなく、甘さを含んだ心地よさを購入の基準に含めていただきたいと思っております。
コーヒーロースターとして、酸味や苦みの強弱は容易に操作できます。酸っぱくしたいならば単純に浅く、苦みをだしたいならば
単純に深く焼けばいいのです。
でも、それはあまりにも乱暴です。
それぞれのお店の趣向があるため一概にいえませんが、酸味の質と甘さのバランスがとれたところでローストを止める、これが
生豆の生産者に対する、ロースターとしての愛だと思います。
酸味や苦みの強弱ではなく、酸味の質(爽やか?活き活きとした?繊細?柔らかい?…)と甘さに注目してみて下さい。後味の心地よさに繋がります。
この2点を柔軟に捉えていただけると、当店も嬉しいですし、海の向こうの生産者も喜ぶはずです。
押しつけではなく、嗜好品を扱うひとつのお店の意見としてご理解ください。
バトンはしっかりとお渡しします。
Lover’s Coffee