私は、つい1年ちょっと前まで、2社を経験した従業員でした。
現在は見た目、素朴なアンちゃんですけど、小さなコーヒー屋を経営している経営者です。
経営者としては、まだ経験が浅過ぎて染まっていない分、違う見方をすると、従業員としての記憶がまだ残っているともいえます。
客商売をしていると、様々な立場の方が当店にいらっしゃいます。
ベテラン経営者の方
最近お父さまから経営権が移った、息子さま
新卒で働き始めて間もない方
上から下から挟まれる中堅社員、または管理職の方
立場は本当に人それぞれです。当店に通って下さり、私たちとお客様が顔なじみになってくると、職業のことや自身の近況を話して下さります。
そのなかで、とても理解できること。
経営者の方は、社員さんやスタッフさんに「頼むから、もっとあらゆる数字に敏感になってほしい!頼むから、逐一報告してほしい!」
そう思っています。
一方
社員さんやスタッフさんは、上の方に「頼むから、もっと現場のことを理解してほしい、知ってほしい!頼むから、具体的に指示してほしい!」
そう思っています。
要は、立場を理解してほしいということ。
内容は人それぞれでも、根っこの部分はここだと思います。
経営者は、基本孤独です。
当店のような小さなお店の経営者も、従業員が沢山いる大企業の経営者でも、孤独であることは間違いありません。
逆に孤独であるからこそ、決断や判断ができるし、いざというときの責任の所在がはっきりします。
経営者の孤独感、これは絶対に避けられないことです。責任感と寂しさは必ずあります。
経営者は、従業員に示すことのできない数字があったとしても、それ以外のあらゆる数字(大まかな成績から商品在庫などの小さなことまで)を、できる限り仲間と共有したいと思っています。
あらゆる数字を自分ひとりで背負うと、人として潰れてしまいますし、どこかで抜けてミスします。
最近の自分がまさしくそうでした。
そこに、従業員さんから小さいことでも報告が逐一あると、本当に助かるのです。
私が経験した新卒時代や少し最近までの従業員時代は、現場で起こっていることを、とにかく上の方と共有したいと思っておりました。業績うんぬん以前に、末端でお客様と接しているのは、自分たちだったからです。末端で感じていることを上の方と共有できれば、もっと改善できるし、組織の性格もとても良くなると思います。
上の方と共有できないと、どうしても同じ従業員同士で分かち合おうとします。しかし、結局のところ、それでは馴れ合いになるだけで、打開には至らないのです。
そこで
お互いの立場が少しだけ分かる、私からの提案です。シンプルなことですが
上の者には、数字のこと
下の者には、現場のこと
この両者の立場を踏まえた、あったかい一言を掛けあってみてはいかがでしょうか。
上の者は下の者に対して「アレはどうだった?」と、現場で起こったことを全部吐かせるようにもっていくこと
そして、下の者は上の者に対して、例えば小さいことでも
「これが〇個売れました。あと〇個で目標達成です(爽やか笑顔で)」
「〇〇が〇〇個、〇〇円の状況ですが、何か私にできることはありますか?」
このように、数字と絡めてあったかい一言を掛けられたら、上の者は心の中では泣くほど嬉しいものです。
皆さんの会社の社長さんがそうだと思いますが、経営者はたとえ休日でも頭の片隅で仕事を考えています。大前提で給料を支払うために、どう売上を上げていくかを常に考えているのです。アタマの中が常にそんな状態の方は、従業員から数字と絡めてあったかい一言をもらえると、本当に心強く感じると思います。
ちなみに、私が言われて1番嬉しかったのは
「あと〇〇です。仕事を振ってください。私に甘えてください」
この一言でした。
お互いこういった声を掛け合っていれば、たとえ状況がすぐに変わらないとしても、お互いの肩の荷は
2キロくらい
軽くなると思います。
お互いどうすることが歯車の潤滑油になるのか。
これを考えていれば、きっと壁も乗り越えられるのではないでしょうか。
現に、壁がいくつも並んでいる当店は、そう自分で言い聞かせます。
もし、皆さんがこれを職場で実践して
「どうしたんだね、急に」
こう言われたとしても
「ラバーズコーヒーのアンちゃんがそう言えって言ってました」
それは言わないでくださいね。
ほづみ