最近、私が物事を考えたり伝えるときに気を付けていること。それは余計なことをいかに省いて鮮明にするかということです。お店を出す前は、自店の経営理念をズラズラと書いてはみたものの、スタートを切ってしまえば、なんて読み返さないことか。皆さんの職場にも経営理念があるかと思いますが、その文章が長ければ長いほど、または、毎日それを読み返す習慣がなければ、まるで入選作品のように飾っているだけではないでしょうか。
私は、自分が考えた余計に長くて使いものにならない理念を、もう一度ワードを省いて考えました。「スペシャルティコーヒーで会津の人々に、癒しとエールを提供し続ける。」これでも省いたほうですが、堅苦しいし、まだ文章が長い。脳みそにズキュンとこないのです。そこで、さらに限界まで省いてなんとか「癒しとエールを。」に落ち着きました。
理念がまとまったのなら、あとはその手段としてのコンセプト。当店はカフェや喫茶店として勝負しないため、コンセプトは「格別な家飲みの普及」に。最近になり、この「家飲み」の部分が「美味しいハイボールの作り方」みたいに連想してしまうため、「自宅で格別な珈琲を」へ、言い回しを変えたところです。
理念とコンセプトをキャッチコピーのように短くシンプルにしたおかげで、そこから起点に判断、決断するようになりました。内装ひとつ考えるにしても、紙コップでのテイクアウトを廃止したことも、すべてはここからです。
12月15日で、当店はオープンして丸2年が経ち、3年目に突入します。課題は山の手線のように次から次へとやってきて、頭の中はグッチャグチャのネッチョネチョ。それでもシンプルな理念とコンセプトのおかげで、今までなんとか乗り越えることができたし、疲れ方がどこか心地よいものでした。
この先も判断、決断のオンパレードだけれども、この核となる部分が自分を先導してくれるものだと信じています。
Lover’s Coffee