W様。
当店のお客様であるその女性は、若かりし頃着ていたオーバーオールを持参し、これは当時母親に懇願し、やっと買ってもらったものだと教えて下さいました。当時、それを買ってほしいと何度もお願いしたようですが、年齢を重ねた今では、それを着る機会がなくなってしまったと言います。処分しようと思っても、当時のお母さまへの感謝の気持ちが残り、何年も保管していたようです。
思い入れのある洋服の生地を使って、オリジナルバッグを作る当店の企画を知ったW様は、企画が発表されてすぐにバッグ制作を依頼されました。
「オーバーオールの名残を感じられるデザインに」という要望をお受けし、バッグ制作を担当するリペアハベルさん。依頼主の人物像を把握し、彼女もできる限りの想像力を働かせて制作。娘さんへ優しさを注いだお母さま、それに感謝するW様、それを形にするバッグの作り手、特に活躍しないが、しみじみ想うコーヒー屋の店主。
関わる皆が心温まる、企画1作目でした。W様、ありがとうございました。
Lover’s Coffee