さかのぼること今年の2月、当店はグアテマラのロズマ農園ロズマラゴという商品を導入致しました。当店にとって初めて深煎りに挑戦した豆であり、大粒品種が故の風味の複雑さは、他に類を見ないほどです。以前ご紹介した記事はこちら。
この豆の注目すべきところは、農園や品種、精製方法が同じロズマラゴでも、標高1550mと1650mのそれぞれの区画で収穫されたロットが届いたということ。当店の計画では、2020年産の標高1550mのロットを今年の夏までに、同年産1650mのロットを秋から導入する計画でおりました。そして、9月に突入した現在、予定通り後者のロットを皆様にお届けできることになります。
夏までのロットも重厚感があり、素晴らしい風味でしたが、今回のロットも期待通り私たちを驚かせてくれました。飲み始めからスイートチョコレートのような甘さを感じ、今回も冷めてから明らかに風味が変化。深煎りなのにわずかな果実味を感じる点は本当に不思議です。前回のロットとどう印象が違うのか。それは、ビター感の少なさと滑らかな質感がより心地よく感じる点です。透明感が増していると言い換えても良いかもしれません。
この2つのロットの違いは、土壌なのか、木の状態なのか。大方の予想は、標高100mの差が生じることで寒暖差が生じ、コーヒーチェリーの熟し方が違うことが有力ですが、これは現地に行かなければ詳細は分かりません。ただ、ロースターの私たちがわかることは、生豆自体が大粒ながら驚くほど綺麗な形をしていること。前回のロットとは断然違います。そして何より、抽出されたコーヒーの品質の高さです。深煎りの先入観を抜きに飲んでいただければ、皆様の好みの幅も広がるでしょう。ぜひ、1度は試していただきたい豆でございます。
※常温で保存すると豆の表面に油が出るため、保存は冷蔵、または冷凍保存をおすすめします。
Lover’s Coffee