今後、当店のお客様に向けて、コーヒーの楽しみ方や淹れ方に関することを細分化してお伝えしようと考えております。お客様が家での抽出で悩んだときに、解決の糸口にしてほしいためです。今回と次回は、ちょっとその前に、事前情報として素材のことをお話ししようと思います。素材といっても、当店が扱っているコーヒー豆だからこその特徴を知っていただきたいのです。
今回は特徴の一つ目として、コーヒー豆の新鮮さについてお話しします。コーヒー豆の新鮮さとはどういうことかといいいますと、まず基本的に生豆は、すべて当年産を扱っているかがポイントになります。より新しい豆はニュークロップと呼ばれます。当年産とはお米で考えると分かりやすいのですが、7月現在に食べているお米で一番新しいお米は、去年の秋に収穫されたものですよね。このお米が今年の秋以降に残るとなると、前年産として扱われること、捉え方はコーヒーも一緒です。当店が扱っている中米の生豆は、もうすでに収穫され、秋頃、ニュークロップとして日本へ入荷してきます。新米は甘みが強く感じることと同様、コーヒー生豆も新鮮であればあるほど、ロースト後の風味は格別。新鮮イコール、生豆の水分量が多いため、そのぶんローストは難しくなるのですが、これらに関してはまた次回お話しします。
ここからが本当にアピールしたいところ。それは、当店はローストしてから、いかに日数が経過していないコーヒー豆を揃えているかということです。コーヒー屋は、「焙煎日」や「Roasted on …」という書き方でローストした日付を表記します。コーヒー屋に行ったら、ここをチェックしてください。
その日付が新しいほど、香りの総量が多いですし、ドリップしたときの粉の膨らみが大きいものです。膨らむといことは、コーヒー豆が炭酸ガスを放出し、それと引き換えに、美味しい成分がお湯に多く溶けだします。(挽いた状態で購入すると2日目以降には膨らみませんのでご注意ください。)当店の場合は、ローストした豆が早くて1日、メチャンコ遅くて6日で回転するよう、少ない量を細目にローストします。効率は悪くて手間もかかるのですが、ローストしたての豆がお客様の元へ渡るチャンスを明らかに多くしているのです。昨日今日ローストされた豆が普通に買えることは、なかなか普通のことではないということを理解して頂けると、私は報われた気がして嬉しいです。
お客様の好みの味に合うかどうかは、私にはコントロールできません。しかし、新鮮なコーヒー豆をお渡しできる点は、自負していることであります。ぜひ、以上の事、特にロースト後の新鮮さに関しては、新しいコーヒーの価値観として加えてみてください。次回も素材のことをお話しします。それでは、おやすみなさい。
Lover’s Coffee