いらっしゃいませ。
8月は通常と変わらず毎週水曜と木曜をお休みと致します。営業時間は10:00~18:30です。
よろしくお願いいたします。
「更新」
昔から大好きなステーキ屋さんがある。子供の頃、家族に連れてきてもらった記憶があるので、優に20年以上は営業されていると思う。いや、30年以上になるのかな。私の知る限り、メニューはおそらくずっと変わっていない。
そのお店の魅力は、もちろん美味しい料理と、あったかい人柄のご主人と奥さん、そして、いつ行っても良い意味で変わらない昭和レトロの佇まいだ。うちは必ず1品目にジャーマンポテトを注文し、店のアイドルである奥さんと一言二言会話する。このステーキ屋さんでの決まったひとコマだ。
とにかくホッとする。味、人、店の雰囲気、見事に3拍子揃ったこのお店は、常連を掴んで離さない。おそらく、常連のほとんどがこう思っているはず。「お願いだから、ずっと変わらないでいてくれ」と。「いつでもタイムスリップできる、そんな場所であってほしい」、それが常連の強烈な願いだ。お客さんの気持ちを満たす型を確立し、サービスのストライクを投げ続けるご夫婦は愛され続けている。そんなご夫婦を私は憧れるし、いつも理想としていた。
しかし、当店はそのステーキ屋さんのような姿になりたくてもなれない。まず、開業してから4年の間でカフェ利用ができるコーヒー屋から、豆売り専門の小売り店へ業態を変更している。まずそこが大きな変化だ。また、各国のコーヒー農園が扱う品種や精製方法をはじめ、抽出器具の分野も常に進化している。特に生産国側の変化は顕著だ。この業態で勝負する限り、常に業界の動きに付いていかないと取り残されることになる。あえて深煎りのネルドリップ1本を貫く純喫茶は、例のステーキ屋さんのような道を歩めるのだろう。
私はある時から、かのステーキ屋さんの憧れを自分の店に持ち込むことをきっぱり諦めた。老舗の確立された魅力とは反対に、うちは常に更新を続けていき、その様子自体を常連さんに楽しんで頂きたい、そう考えるようになった。現に新商品は次々に登場させているし、私たちも毎日新たな発見や気づきを得ているのだから。
ただ、日々の忙しさに忙殺されているあまり、このブログを筆頭に全っ然それらを伝えることができていない。紙媒体でもデジタルでも発信が弱いことがうちの最大の弱点だ。恋愛と同じでちゃんと伝えなければ相手は気づかない。なんてもったいない。
内容の充実さにこだわるよりも、箇条書きの淡白な内容でもよいから、伝える回数を増やそう。伝えきれていない過去の変化も含めて、気づいて頂きたいことをこのブログで投げつけよう。ストライク、ボール関係なく。
ありえないほど省略された経営理念、「癒しとエールを。」
これだけは不変とし、今日もLover’sCoffeeは更新を続けていく。
Lover’s Coffee