今回ご紹介するコーヒー豆は、グアテマラのロズマ農園「ロズマラゴ」。1番の特徴は、他に類を見ないほどの大粒品種であるということ。そら豆くらいと言うと大げさだが、縦と横に大きく、非常に肉厚である。品種名はマラゴジぺ種(正確にはパカマラ種も混在している)。ロズマ農園が作るマラゴジぺ種だから、名前が「ロズマラゴ」らしい。
私がこのコーヒーにもつ感想は、とにかく未知数であるということ。大粒な豆の特徴でもあるが、温度変化による風味の印象がまるで違う。飲み始めはビターチョコレートの風味しか見つけられなくても、少し冷めるだけで甘さが急に増し、黒蜜やバター、ガナッシュチョコレートを連想させる。そして、クリーミーな質感が次第に増していく。今回、私はこの豆を深煎りにしたが、浅めに焙煎すれば、綺麗な柑橘系のフレーバーを楽しめる。
実は今回、このロズマラゴは2つのロットに分かれて来た。どういうことかというと、同じ農園の品種でも標高1550mの区画と、1650mの区画、それぞれで収穫されたロットがあるのだ。私はまだ前者のロットしか焙煎していないため、100mの標高差でどのような違いが表れるのかはまだ分からない。きっと、コーヒーチェリーの熟し方の違いが差を作り出すのだろうと予想している。
ひとつの農園、更に細分化された区画の位置、品種、精製方法、違いはこれらの組み合わせ方によって千差万別。そして、どう焙煎されたのか、どう抽出されたのかによっても、コーヒーは表情を変える。このコーヒーを通じて、私は改めてコーヒーの無限さを感じるのだ。
※この豆のお勧めする保管方法は、冷蔵庫か冷凍庫にパッケージのまま置くこと。深煎りの豆は、時間が経過すると表面に油が浮き出てきます。この現象は、購入してすぐに冷やして保管すると防ぐことができます。抽出する際は、挽いた直後にふるいで微粉を除去すると、雑味が軽減され、細かい風味のニュアンスを感じることができます。ぜひ、お試しを。
Lover’s Coffee