私たちがお薦めする水出しコーヒーの器具は、「iwaki ウォータードリップコーヒーサーバー」といいます。税込3300円。なぜ、お手頃な値段かといいますと、水の落ちるスピードを調節するコックが水タンクに付いていないこと、そして、家庭用の容量であることが言えるかと思います。
上の写真は、水タンクの底に開いている穴を映したもの。真ん中に極めて小さい穴が1つだけあります。今までは、この穴が必要以上に広がって水が出過ぎてしまったり、逆に水がスムーズに出てこなくなった場合がありまして、早々に使用を諦めておりましたが、最近、部品調達ができることを知りました。もし、過去にご購入されたお客様で、この水タンクのみを取り替えたい場合は、当店にお申し付け下さい。※スムーズに水が落ちない場合は、交換しなくても裏技がありますので、ご相談を。
水タンク 税込990円。
今回は、実際に淹れるまでの手順をご説明します。もちろん、店舗内でもご説明致しますので、お気軽にお声がけください。
まず、コーヒー豆40gを計量し、ペーパードリップと同様、中細、又は中挽きの粗さに挽きます。そして、挽いた粉を容器にセットして下さい。
次に、満遍なく水を浸透させるために、少量の水を入れ、マドラーでかき混ぜます。ドリップ抽出の蒸らしと同様、粉の繊維を十分に広げてから本抽出となります。
全体まで水を浸透させたら、スプーンで粉の表面を平らにして下さい。
焙煎して日が経っていない新鮮な豆は、この段階でハンバーグのように膨らみます。この状態で水タンクをセットしてしまうと、水が溢れてしまうため、膨らんだ粉を再度軽く押して平らにしてください。
裏技は、ここでペーパーを丸く切って粉の上に敷きます。中央しか落ちてこない水を満遍なく広げるためです。効果はあるかどうかは不明。
水タンクに450㎖を入れ、あとは約3時間待ち、規定量のコーヒーが出来上がるまで待ちましょう。保存はビンごと冷やし、抽出して向こう2日間は美味しく飲むことができます。
ここまでが流れですが、更に美味しく淹れるためのポイントを3つお伝えします。これは、ドリップ抽出はもちろん、すべての抽出にも当てはまるポイントです。まずはひとつめ。水は浄水フィルターによってカルキや不純物が取り除かれた水を使用して下さい。ミネラルウォーターや湧き水も良いでしょう。その中でも軟水を使えば、まろやかなコーヒーに仕上がると思います。
二つめです。コーヒーの美味しさは、粉の粒が均一な大きさに揃っているかどうかで、とっっっても左右されます。一度に挽いた粉の中に、微粉から細かい粒、そして粗い粒まで、大小どれほどの範囲の粒が点在しているのか。これを粒度分布といいます。細か過ぎる粒は、他の粒よりも速く成分が溶け(過抽出)、粗過ぎる粒は、遅く成分が溶けます(未抽出)。粒度分布が広いと、これらが混在していることになり、風味がぼやけてまとまった味に感じません。いかに粒度分布を狭くできるかが、美味しさをもう一段向上させる秘訣となります。ぜひ、性能が良いミルのご検討をお願いしたいところです。
そして、三つめは、コーヒー豆を挽いてすぐに、微粉を取り除くことです。二つめのポイントと通じることで、微粉は過抽出の最たるもの。性能の良いミルを使用し、粒度分布を狭くすること。そして、微粉を除去すれば、美味しく抽出するための最高の準備となります。お店の味にとことん近づけたいお客様は、この3点まで意識を広げていただけたらと思います。
以上、細かくお伝えしてしまいましたが、数をこなせばこなすほど、ご理解いただけると思います。次回は、ドリップしてからの急冷アイスコーヒーについてご説明します。
Lover’s Coffee