いらっしゃいませ。
8月のお休みは通常通り、毎週水曜と木曜でございます。
(営業時間)10:00~16:00
皆様のご来店、心よりお待ちしております。
「生きかたそれぞれ」
当店は昨年の12月で創業から丸6年が経ち、只今7年目に突入している。事業をスタートさせてから5年までを、一般的には「創業期」と捉えるらしい。
この創業期を越え、利益を安定的に創出でき、従業員がイキイキと働ける仕組みをつくり上げた、俗に言う「ヤリ手経営者」と呼ばれる人たちは、次の局面でどう動くのか。バイタリティー溢れる彼らは、溢れ出すビジョンを掲げ、多店舗展開または事業拡大に乗り出す。それと同時に、彼らは、今まで自身が作業をしていた現場を離れ、とうとうプロの経営者へと変化していく。雇用を地域で創出し、より多くのお客様に自社のサービスをお届けできる点では、素晴らしい限りである。大きく勝負ができる会社は、ある程度の拡大まで勢いは止まらないのであろう。
それに置き換え、ラバーズコーヒーの店主さん(私)はいかがなものか。創業期を越えても作業現場を離れる気配はなく、お客様からは見た目の不健康さを心配される毎日である。ありがたいことに、創業期よりはお客様が増えたため、毎日の焙煎量は増えた。それに付随して、焙煎機のメンテナンス頻度も増えることで、コーヒーのカスまみれになる日々は変わることはない。とにかく、私はアマチュア経営者から変化していないのだ。多店舗展開なんて考えたこともない。焙煎は私だけが担当している。「きみが体を壊したら、お店自体も開けられないのだよ」と、よく言われるが、正直返せる言葉もなく、耳が痛い。
「なぜ、俺はここまで堅ぶつなのだろう」。明らかに若い時より体が衰えている事実が悩みを深くする。
ただ、ひとつだけこれだけは言えることがある。言い訳にしか聞こえないが、私はこのラバーズコーヒーにおいての、あらゆる仕事がたまらなく好きなのだ。風味を更に引き出すためにガス圧を0.1kpa加えてみようとか、煎り止めの時間をあるポイントから2秒速めてみようとか、そんな修正に終わりがない焙煎の世界がたまらなく面白い。これから本腰を入れて再度取り組むドリップレッスン。そして、いつかは発行したい、癒しをテーマにした普遍的内容の紙媒体。これらは好きで仕方がない現場からでしか経験できない。
どんな経営を目指すのか。その問いは経営者にとって、生き方そのものだ。私の動く速さは亀より遅いのに、皮肉なのか、人生は刹那的らしい。ならば、町の小さなお店が元気に営業している期間なんて、もっと刹那だ。
私は、奇跡的に通い続けて下さるお客様と、1冊の本のようにページを着実に刻んでいきたい。
Lover’s Coffee