いらっしゃいませ。
10月の営業について、大事なお知らせです。9月の終盤、事故によってお店の玄関が大破した関係上、数日間休業しておりましたが、1日(日)から不定期で営業することと致しました。
今後、大工さんなど内装工事業者が入る場合は、お店を休業しなければなりません。これらの日程は確定できないため、営業する日程が決まり次第、その都度、このホームページ内でお知らせすることになりました。
ご不便をお掛けして大変申し訳ございませんが、営業日をご確認してからのご来店を、お願い申し上げます。
何卒宜しくお願い致します。
「非競争」
先日、東京のビッグサイトで開催された「SCAJ2023」というスペシャルティコーヒー協会の展示会を見学して参りました。
例年は業界関係者向けの企業ブースが大半なのですが、今年は一般消費者が回れるように全国のロースターやコーヒーショップが集結し、大変な盛り上がりとなりました。特にこの一般消費者向けのエリアが混雑し、こんなにまで業界が発展したのかと思うと、驚きとは反面、私は恐怖に似た感情を覚えてしまいました。
なぜ私は怖くなってしまったのでしょうか。それは、80店以上にもなるお店の数々が、皆、同質のものとして映ってしまったからです。もちろん、お店ごとに想いやこだわりがあることは、承知しております。しかし、ほとんどのお店が、扱うコーヒーに対して華やかさや珍しい風味といった希少性を重視しているため、結果、珍しいはずのゲイシャ種のような高価な豆が溢れかえっている光景でした。確かに、並んでいたほとんどの豆が高品質であることに間違いありません。ただ、皆似たような思考(嗜好)では消費者の方々は、業界のイメージをひとくくりにしてしまいます。もしかしたら、クラフトビールや日本酒業界の動向も似た性質があるのかもしれません。
「スペシャルティコーヒーって、フルーツジュースとかTeaみたいなコーヒーでしょ?」
もしや、当店のコーヒーもこのようなくくりで同質なものとして映っているのではないか。こう考えた瞬間、私はゾッとしてしまいました。
きっと、あの会場のお店さんたちは、同業者間で商品ラインナップを競っているのかもしれません。また、スペシャルティコーヒーは驚きを与えるものとして、インパクト重視の価値観なのかもしれません。真実は違うことを願いますが。
そこで私は考えます。こういった浅煎りでキラキラ系のコーヒーを好むお客様が一定数いらっしゃるため、当店も少なくとも1割は浅煎り寄りの豆をご用意すると思います。スペシャルティコーヒー専門と謳うのならば、専門店としてご要望にお応えするべきだからです。
しかし、私の本意は、お客様を驚かせることではありません。大部分の9割の商品ラインナップは、流行りとは無縁であり、且つ現代人に不可欠な「癒し」をキーワードとして、お客様の精神に深く作用するコーヒーであるべきなのです。
この姿勢を理解していただくためには、種類ごとの焙煎は中煎りから中深煎りの範囲内で仕上げ、お店の顔として、オリジナルのブレンドコーヒーも磨き続けるべきです。加えて、キモとなる「ラバーズコーヒー式のペーパードリップ」の普及。五感を癒す店内の雰囲気。そして、独自の紙媒体であるニュースレターを今後展開していくことが必要だと再認識しております。これらを総合したものをラバーズコーヒーの商品として確立しなければなりません。
とにかく、これからの当店のキーポイントは「非競争」です。競う環境に身を置かないといっても、別次元に到達するためには、やはり努力しかありません。現時点では、全国のスペシャルティコーヒーを販売する他店と当店は同じくくりにされていると、あえて認めてみようと思います。自分の中で、この2023年秋が再スタート地点であると割り切れますから。
現実から理想を追求するまでのストーリー。これこそが、人生そのものではありませんか!
Lover’s Coffee