12月9日、ラバーズコーヒー7周年記念ピアノソロコンサートが開催されます。予約制・定員200名でございます。ご興味がおありのお客様は、お早めの事前予約をお願い致します。概要はこちらです。

今回は、ピアニストの横山氏をお招きし、このコンサートが開催に至るまでの経緯を申し上げます。

現在、店主の私は、スタッフをはじめ、妻と一緒にお店を運営しております。妻は喜多方出身ですが、私と結婚する約3年前まで東京で働いておりました。私と出会う前から、個人的に横山氏の音楽が大好きでコンサートに通い、何枚もCDを購入し、日常的に彼の音楽を生活のBGMとしておりました。

いつしか彼女は、彼の音楽をただただ純粋に、大勢の、それも地元の方に聴いてほしいと願うようになり、なんと彼が住んでいる宮崎県まで直接出向くことを決意したのです。余談ですが、2020年当時、おそらく横山氏は東北でのコンサートは開催しておらず、彼女は喜多方での開催を「初・東北」としたいと考えていたようです。

1月とは思えない暖かな日、彼女は彼との交渉のために、単身で宮崎県を訪れました。予定通りに、関係者を含めた彼と顔合わせをし、情熱をもって想いを伝え、無事にコンサート開催の話が成立したかのように思えました。その時までは。

実は、3年前の1月というと、コロナウイルスが日本で流行りかけの頃。私たちが現在に至るまで、コロナがここまで世間を騒がせるとは想像もしていなかったのです。日が経つごとに感染者増加の猛威が振るい、当然のようにこの企画も中止せざるを得ない事態となりました。

コロナ禍の間、私と妻は結婚しました。彼女は私と出会った頃から、このコンサートが中止になった件を、いつも残念そうに私に話しておりました。東京から地元会津に戻ってきて、まずは新生活に慣れなければなりません。彼女は今までとは畑違いの新しい仕事を覚えるために、必死の日々を過ごしてゆきました。

しかし、それから約3年が過ぎた頃、転機が訪れます。コロナがインフルエンザと同じような「５類」に分類され、事実上、行動制限が解除。そして、この度、当店が12月で7回目の周年記念を迎えることになります。縁起の良いこの「７」という数字にあやかって、再び横山氏を会津にお招きしよう。彼女と私は、そう決意しました。

彼女が約3年前、直接宮崎県まで交渉しに行った情熱と苦労が、ようやく報われることとなります。横山氏も一度顔を合わせた同士ということもあったのか、今回も快くコンサート開催を承諾して下さいました。

彼女を見て感じます。「推し」の情熱はすさまじいと。彼女は、一度チャンスを逃しても、コンサートを開催させるという情熱の火を絶やすことはしませんでした。自らチャンスをつくり、行動に移しました。まだコンサートは実現しておりませんが、私は現在進行形で彼女から何かを学んでいる気がします。

実のところ、横山氏はここ最近、東北で2度コンサートを開催したようです。この件について、彼女は「初・東北」が叶わなく、たいそう悔しい模様。

「推し」の情熱とは、恐るべきものです。

ラバコ