いよいよ今週末の7月26、27日(土日)は、木工作家 佐藤辰徳さんによる作品の販売会です。
当日について、いくつかお知らせです。
・当店オリジナルのカップは、受注生産となります。
ご希望のお客様は販売会で商品代金と送料をお支払いいただき、カップが完成次第、後日お客様宅に発送されます(器代¥7,700+送料¥800)。
・駐車場について
無料駐車スペースは当店前3台分に加えて、お隣の行政書士事務所様前の1台分と、協和燃料様の駐車スペース3台分(※当ビル東側縦列)の計7台分です。満車の場合には、恐れ入りますが、近隣のコインパーキングをご利用ください。

※当ビル東側、縦列駐車でお願い致します。
店主「やっと佐藤さんの販売会が実現する」
カップがこの形になるまでに何度も意見を交わし、無理をお願いし、やっと出来上がったヤマザクラのカップ。先日の1DAY CAFE では多くのお客様にこのカップでコーヒーを提供することができた。満を持して、販売会を迎える。
店主「そもそも、なぜ佐藤さんにお願いすることになったのか。ひとつめは材にヤマザクラを使っていたこと」
店主はヤマザクラがとても好きだった。すらっと背が高く、白や薄紅色の可憐な花を咲かせるヤマザクラ。優しく淡い雰囲気ながら、凛としたその佇まい。山などで咲いているのを見かけると、心が穏やかになる。ヤマザクラそのものの美しさだけでなく、木材としても素晴らしい。艶やかな赤褐色の木地、緻密な木目、耐久性もあり、木のカップを作るならば木材はヤマザクラ、と決めていた。2年ほど前、訪れた佐藤さんの工房でヤマザクラの器に出合ったのだった。
店主「ふたつめは、木材を活かしきる力と依頼に応えてくれる技術力」
佐藤さんの工房には、たくさんの作品が並んでいた。カップやお皿、オブジェや花器、ランプシェード・・・。よく見ると、穴があいていたり、欠けているような作品もあった。それが美しいデザインのひとつになっている。佐藤さんによると、一見欠点のような節や穴も、作っていくうちに輝くような長所になることがあるらしい。カップを依頼する前にオーダーしたヤマザクラのランプシェード(当店レジ上につるされているランプ)は、割れている箇所を鎹(かすがい)で継いであり、可愛らしいアクセントになっている。店主は確信した。佐藤さんならば、憧れのヤマザクラでカップを作ってくれる。そこから何度もイメージを伝え、ヤマザクラのカップの製作が始まった。

佐藤さんは、ミリ単位で微調整し試作を重ね、店主のこだわりを見事形にしてくれた。限界まで挑戦し、いやな顔ひとつせず、依頼に応えてくれたのだ。また、写真を見ていただくと分かる通り、白っぽい色に塗られている。ヤマザクラの赤褐色が分からないではないか、という声が聞こえてきそうだが、これにも理由がある。この白っぽい塗りは「漆」で、店主の要望に加え佐藤さんの特徴でもある塗り方だ。コーヒーカップを前提としているので、木に色が染みこまないよう塗装を考えていた。しかしただの透明の塗装では、木のカップもコーヒーの色も茶色で合わない。なるべく木の風合いが分かる範囲で、白っぽいカップにしたかった。そこで提案していただいたのが、この白い漆。漆というとべったり塗られているイメージもあるが、もとの木の雰囲気が分かるように薄く塗られている。このような雰囲気のカップは、唯一無二ではないだろうか。
店主「みっつめは、職人なのに職人らしくない。絶対的な穏やかさ、温かさ、やさしさ」
彼の材への思い、技術力は確かなものだ。ここまで読むと仕事に厳しい面を感じられるかもしれないが(いや、厳しさは持ち合わせているはずだが)、彼の魅力はその人柄だ。職人としてのこだわりはもちろんあるが、依頼人にとことん寄り添ってくれる。そして、常に安定していて、穏やかで優しい。まるで、力強く根を張り幹を伸ばし、枝葉を広げてしなやかに揺れている木、そのものではないか。そうか、彼自身が木のような人なのかもしれない。仕事を依頼して知ったのは、柔軟さと懐の広さをもつ佐藤さんの姿だった。
パチン。店主の胸の中で何かがはじけた。
佐藤さんを、詳しく知りたい方はぜひこちらをご覧下さい。
Lover’s Coffee








