・「コーヒーの生活」なのか、「生活の中のコーヒー」なのか、どちらかによって変わっていきますよね。
・俯瞰して、お水をあげるようにお店を育ててあげて下さい。
・力になりますので、私にどんどん仕事を振って下さい。私に甘えて下さい。
これらは、当店のある男性スタッフの言葉です。
オープン当初は私1人でお店を始めておりましたので、彼はもともと当店のお客様でした。カウンターを挟んでの彼は、私の世話しない姿を何度も見ておりました。バタバタとしていた私とお店の現状を話していくうちに、いつしか彼は私と同じカウンターの中に立つようになりました。
素直でつぶらな瞳をしている彼を見て、始めは「メンコイ顔したアンチャンだな」。そんな印象でした。
しかし、実際の彼は人一倍強い探求心と当店の愛着を基に、「できません」という言葉は一切吐かず、できるまで何度も追求し続ける、そんなたくましい男でした。
「オーナーは孤独との闘い」という言葉を耳にします。たしかに「決めるのは自分」という孤独さは必ず感じますが、私は彼と長い時間を共にしたことで、それが幾分か和らいだのでした。彼は私よりいくつも歳が下ですが、人として素直に尊敬しております。もう私のなかでは、彼はよき理解者であり、ほぼ立ち上げのメンバーでありました。
そんな彼は、4月からもともと内定で決まっていた新たな職に就くため、会津を離れます。コーヒーとはまったく別な職種で、そこで自分の目標を追い求めていくようです。彼は、進んでいくであろうラバーズコーヒーの物語の1ページ目に、紛れもなく不可欠な人物でした。
あなたがいてくれて本当によかった。ありがとう。この一言に尽きます。新天地での彼の活躍を楽しみにしつつ、ラバーズコーヒーも新たなメンバーと物語の2ページ目以降を進めて参ります。
皆それぞれ、一行ずつ歩んでいきましょう。
Lover’s Coffee