いらっしゃいませ。

9月のお休みは、通常通り毎週水曜と木曜でございます。

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「動かぬ鉄球」

大企業などの大きな組織では、社員が上層部に対して新しいサービスを提案し導入しようと申し立てる場合、直属の上司や部長クラス、社長クラスといった許可を得るための関所がそれぞれ存在するため、個人の情熱を実現するまでに苦労されることが多いのではないでしょうか。

一方、個人事業主や当店のような零細企業にはそういった関所が少ないか又は存在しなく、個人の裁量を発揮しやすいことは事実です。こういった点を魅力と捉え、独立される方が多いのかもしれません。

では、実行力についても規模が小さいほうが優位かというと、それは別ではないかと私はいつも感じております。大きな組織においては、一つの企画に対し、「ここが違う、ここが甘い」と関所それぞれのチェックがまず入るはずです。それを根気よく修正し続けることで、粗削りの企画はついに非の打ち所がないものへと仕上がっていくのだと思います。そして、実行の段階では、各チームで分担して企画を具現化し、再度優秀なチェックが入ることで、スピーディーで且つ世に恥じない仕事ができるのではないでしょうか。

もう話の流れはお分かりかと思います。大きな組織に比べて小さな規模の会社、その中でも当店の場合は、個人の裁量を発揮できても、企画が精査されるまでまず時間が掛かり、実行力も半端なく遅いということです。営業をしている限り、月ごとの決まった作業や急ぎの案件が待ったなしに立ちはだかります。そんな状態で新たに仕組みを構築するには、どうしても負荷が生じブレーキがかかっていたのです。プレイヤー兼マネージャーの宿命です。

月末を迎えるごとに、私は「嗚呼、有言不実行男よ…」と嘆いて日々を終えていました。しかし、なんとか時間を割いたことで、当店の新しいサービスである「ドリップレッスン」と「店主正直便」を今月から始めることができそうです。ドリップ方法も創業時のものから幾つも改良いたしましたので、別物に映るかと思います。お待たせしたお客様、大変申し訳ありませんでした。最初は慣れないご対応でご迷惑をお掛けするかもしれませんが、ぜひ、当店の新しいサービスをご利用くださいませ。

新しい習慣などを身につけることは、大きな鉄球を転がすことに例えられるようです。鉄球を動かすまでがひと苦労ですが、安定して転がり始めたらあとは流れに任せればよいと。そのためにも、私たちは集中してスタートを切らなければなりません。

至らぬ点が多い当店ではございますが、変わらぬご愛顧をよろしくお願いいたします。

Lover’s Coffee