焙煎日誌

シワはあってもよい。

遅い報告となってしまい、申し訳ございません。

2024年1月の限定商品として、当店では初となるゲイシャ種を販売しております。皆様もその名前の響きだけは聞いたことがあるのではないでしょうか。2004年、パナマ国内の「ベストオブパナマ」という品評会で、エスメラルダ農園のゲイシャ種がその当時とてつもない高額な値段で落札されたことをきっかけに、この品種が一躍有名となりました。

当店もこの品種をいつか扱うことができればと思っておりました。ただ、焙煎して日が間もない新鮮な豆をお渡しすることがモットーの当店としては、果たして高価格帯の豆がスムーズに回転するのか、そこを心配し、今までずっとこの品種の販売を見送っていたのです。しかし、当店が豆販売のみに特化してからは、販売量に少し手応えを感じ始めてきたことが安心材料に。では、この新年のスタートを良い機会と捉え、「コロンビア・サンタバルバラ農園ゲイシャ種ナチュラル」という高価格帯商品を、いざ、導入してみようと決意しました。

 

 

思い切ってみたものの、1月上旬、私はいきなり壁にぶつかることとなります。その壁とは、ゲイシャ種の焙煎の難しさです。私が今まで中煎りの火の当て方で心がけてきたことは、煎り止めの付近で火力を落とし、豆表面のシワを伸ばし気味にすること。シワを伸ばすことで、生焼けのような渋さが消え、甘みが引き出されます。私はこの操作を基本としていたのですが、ゲイシャ種には見事に通用しないのです。この品種特有のキラキラとした柑橘の風味がそっぽ抜けてしまう。そして、煎り止めのストライクゾーンもかなり狭い。私は本当に悩みました。なにせ、仕入れ値が他とは倍以上に高いのですから。ましてや、お客様に「こんなもんか」と落胆させたくはない、そんなプレッシャーがありました。

こんなとき、やはり打開策となったものは、過去のテイスティングの経験に伴った想像力と、基本とは異なる操作をする、いわゆる思い切りでした。香りの強さがこの豆の最大の特徴ならば、あえて角を取るように豆表面のシワを伸ばす必要はないと考え、煎り止め付近も熱カロリーを強めに与えることにしたのです。

結果は花丸。この品種のキャラクターは無事に顔を出し、胸を張って販売できるようになりました。面白い点は、焙煎日から1週間以上常温で寝かせると、さらに風味が強くなること。そういった面も含め、私はこの豆のお陰でひとつ経験値を上げることができました。

もう1月終盤です。少し高価ですが、商品が残っておりましたら、ぜひお試し下さいませ。もし、この機会に手に入れることができなかったとしても大丈夫です。また、間を挟んで登場させますから、どうかご安心を。

 

Lover’s Coffee

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