焙煎日誌

コロンビア・オアシス農園 ゲイシャ種 ウォッシュト 

4月から5月前半までの限定商品として、「コロンビア・オアシス ゲイシャ ウォッシュト」をリリースしております。

ゲイシャ種に関しては、過去にコロンビアの他の農園産を扱ったため、今回は2度目の登場となります。前回は苦戦しながらもゲイシャ種特有の焙煎方法を習得したことで、今回も同じ要領でこなせるだろうと肩の力を抜いておりました。

4月6日、いざ、初回の焙煎へ。前回学んだ通りに、豆表面のシワを伸ばすような基本の焙煎は無視し、あえてシワを残すよう後半も比較的高い火力のまま少しワイルドな感じで煎り止め。前回と打って変わって、私は余裕な表情で出来上がりを確認したのですが。

 

 

「アラッ?」

なにか様子がおかしい。明らかに前回のゲイシャとは見た目が違うのです。見た目とは、茶褐色の染まり方のこと。今回は火の入りが均一ではなく、色がまだらに染まってしまったのです。私は後悔しました。こんな高価な豆を安易な意識で焼いてしまったことを。

私は時間を置き、気持ちを落ち着かせてから前回の豆と比べてみました。すると、お恥ずかしいことに、あることに気づいていなかったのです。それは、前回のゲイシャはナチュラル精製であったことに対し、今回はウォッシュト精製であるということ。要するに、ナチュラル精製は比較的柔らかい仕上がりの生豆であるため、火の入りが良く、多少ワイルドに焼いても綺麗な茶褐色に染まります。一方、ウォッシュト精製は水分量が更に多く、非常に硬さがあります。そのため、水分の抜き方や火力の操作に細心の注意を払わないと、外見はお粗末となり、豆に含まれる炭酸ガスは少なく、しまいには、風味に青っぽさが残る未発達なコーヒーとなるのです。

私は、炭酸ガスが少ない浅煎りのコーヒーを上手に淹れることができません。炭酸ガスが少ないと、蒸らしで形成した粉の層が崩れ、ドリップの後半で粉の大半が沈み、お湯だけが水たまりのように上部に溜まってしまいます。

 

 

ゲイシャ種には綺麗な酸が不可欠であるため、焙煎は浅めに仕上げることがセオリーです。しかし、ここで煎り止めのポイントを更に浅く設定すると、症状は悪化します。柑橘を思わせる風味と酸を際立たせながらも、豆には炭酸ガスをできるだけ含ませてあげたい。ここで私は、二つの修正を図りました。一つは、1回の焙煎につき、通常よりも多めに生豆を投入して、前半部分の熱の入りを緩やかにしたこと。この修正はすぐに効果が出たようで、色づきも均一になり、風味の青っぽさも消すことができました。

そして、ここからが根気よく対峙すべき二つ目の修正。それが、火力(ガスの圧力)の調整です。今回のような硬い生豆の性質に合わせるためには、煎り止め付近のある範囲の部分だけ温度上昇を穏やかにするよう、火力を少し落とす必要があります。クライマックスの部分に対して、強い火力の割合と少し弱い火力の割合を何通りも試すことで、ゲイシャ種特有の個性の持ちつつ、均一に豆の芯まで火の入った焙煎豆を仕上げてゆくのです。

 

 

私が判断した最適なプロファイルは、強い火力の割合を多くとるもの。最終的には、初期の焙煎よりも、色の染まり方や風味の良さなど総合的に改善でき、私にとって誇りに思うゲイシャをリリースすることができました。

まだまだ私には伸びしろがあると思うと嬉しくなります。お陰様で、今回も非常に良い経験をさせてもらいました。この商品は50gから販売しておりますので、ぜひ1度、お試しくださいませ。

 

 

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