雪解けはとっくに過ぎ、植物は喜びに満ちて芽を出す。それに呼応するように、人間もいっせいに外に出かけ、土を耕す者、外のスポーツに励む者、皆、思い思いに春を楽しみだす。そんな開放の季節、店主の穂積昇平、壁にぶち当たっております。いったいどうされたのでしょうか。
壁とは、コーヒーのドリップレシピのこと。先日の記事では、豆とお湯の重さをスケールで量る重要性や、ドリップの原理をお伝えしました。問題はこの先。向き合わなければいけないと分かっているのに、今までずっと手をつけてこなかったこと。それは、お客様それぞれに適したレシピのご提案です。当然、お客様の使用しているカップの大きさは皆それぞれですし、コーヒーを飲むご家族の人数、ましてや、抽出器具の種類まで違います。
コーヒー店の数だけ淹れ方が存在します。もちろん当店のノウハウやレシピもあります。しかし、今まで店頭でご紹介していた、ある容量のレシピだけでは、実用的でありません。店主は、あらゆる容量に対応する美味しいドリップレシピを公式と法則で導かなければならないのです。
数々の有名なスペシャルティコーヒー専門店は、どのお店も1杯に使う豆の量が比較的多めです。豆の量を多く使えば濃度が強くでる。それは、当然のことです。そこのところを、当店はいかに抑えながら、トロミがある質感を同時に抽出することができるか。店主は、その点も「ラバーズコーヒー式」の長所として加味したいのです。豆販売店ゆえの主張です。
恥ずかしくて実際にお店では言いませんが、最近、コーヒーの勉強を積み重ねているせいか、納得のいくドリップで試飲サービスをご提供できている気がします。店主は、いち早くこれを体系化して、お客様に合う実用的なレシピをご提案したいのです。おそらく、原理を考えると3人前までが限度かと予想しております。
近日中に手に入るコーヒー濃度計「BRIX」を活用しながら、あらゆる容量のドリップレシピを完成させることが、今春の目標であります。気長にお待ちいただけると幸いです。
Lover’s Coffee